引き渡し日は、売却するマンションの所有権が売主から買主へと移転する重要な日です。
売買契約時に、この引き渡し日を決める必要がありますが、適切な日程はどう選べばよいのでしょうか。
この記事では、マンション売却における引き渡し日の決め方、当日の流れ、そして用意するものについて解説します。
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マンション売却の引き渡し日の決め方
マンションを売却する際、引き渡し日は売主と買主が話し合った上で決め、その内容を売買契約書に記載するのが一般的です。
空室の場合は、日程を決めやすいものの、居住中のケースでは、買主とのスケジュール調整が難航することもあります。
買主が住宅ローンを利用してマンションを購入する場合、住宅ローンの正式な審査が完了していないと代金を支払うことができません。
そのため、引き渡し日には、住宅ローンの審査が終わり、融資が正式に決定していることが必要です。
売買契約後、住宅ローンの審査結果が出るまでには、一般的に約2週間かかることが多いです。
引き渡しは通常、売主・買主・不動産会社の担当者、そして司法書士が集まり、買主が住宅ローンを利用する場合は金融機関の営業時間内(平日の昼間)に行われます。
そのため、売主や買主が会社員である場合、予定を合わせるために休暇を取る必要が出てくることがあります。
トラブルを避けるためには、売主と買主が直接会う機会を利用して、早めに日程を調整しておくとよいでしょう。
引き渡しまでの期間
引き渡しまでの期間は、空室の場合で約2ヶ月、居住中の場合は状況により異なりますが、約3ヶ月を目安とすると良いでしょう。
予定を逆算し、双方の都合に合った時期を見極めることが大切です。
また、売主や買主に海外出張や入院などの予定がある場合は、早めに知らせておきましょう。
引き渡し日は、売買契約書に明記される事項ですが、可能であればその前に決定しておく方が安心です。
引き渡し日の変更は可能か?
基本的に、引き渡し日は売買契約書で定められており、原則として変更はできません。
しかし、買主の同意が得られれば、引き渡し日を変更することは可能です。
変更が必要な場合、売主と買主の双方で決済日を延期する覚書を作成します。
ただし、覚書に記載された決済日までに引き渡しが完了しない場合、損害賠償を請求される可能性があります。
取り決めた引き渡し日は必ず守るようにしましょう。
土日祝日に引き渡しを希望する場合
基本的に、土曜日や日曜日を引き渡し日に指定することはできません。
これは、引き渡し日に代金の決済や所有権の移転登記がおこなわれるため、金融機関や法務局が通常営業していない土日祝日は避ける必要があるためです。
引き渡し日には、有給休暇を取得するなどして平日を指定するのが一般的です。
ただし、特定の条件を満たし、リスクを受け入れられる場合に限り、土日祝日に引き渡しをおこなうこともできます。
まず、代金の受け渡しを現金でおこなうか、休日に対応できる金融機関を利用しなくてはなりません。
そして、所有権の移転登記を休日明けの平日におこなう場合に限り、土日祝日でも引き渡しをおこなえます。
ただし、この方法は、買主が所有権移転登記の完了を確実に確認できることが前提となるため注意しましょう。
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マンション売却の引き渡し当日の流れ
マンションの引き渡し日をスムーズに迎えるためには、事前に流れを把握しておくことが重要です。
引き渡しは通常、買主が利用する銀行でおこなわれ、売主・買主のほか、不動産会社の担当者や銀行担当者、司法書士が参加します。
引き渡し当日の流れは、以下の通りです。
1. 残金決済の手続き
引き渡し日には、まず買主から売主へ残金の入金がおこなわれます。
これは、売買契約時に手付金が支払われており、残りの金額が振り込まれるため「残金」と呼ばれます。
通常、残金の支払いは振込でおこなわれるため、売主はその場でネットバンキングや銀行のATMで入金を確認しなくてはなりません。
2. 登記手続きの実施
次に、マンションの「抵当権抹消」と「所有権移転」の登記手続きがおこなわれます。
抵当権とは、売主が住宅ローンを完済していない場合に、その担保として設定されている権利です。
売主は、売買契約で抵当権の抹消が約束されているため、引き渡し時にこの手続きを完了させます。
必要な書類は、売主側の銀行が保有しており、司法書士がこれを受け取って登記をおこないます。
また、売主は所有権移転に必要な書類を司法書士に渡し、司法書士はこれを法務局に提出したら手続きは完了です。
3. 税金や管理費の精算
マンション売却時には、引き渡し日を基準に固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金などの精算がおこなわれます。
これらの費用は、引き渡し日以降は買主が負担するため、売主と買主の間で清算をおこなわなくてはなりません。
精算金額は事前に通知され、引き渡し当日には確認済みの金額が支払われます。
4. 必要書類と鍵の引き渡し
最後に、残代金の入金が確認された後、売主は買主に必要書類とマンションの鍵を引き渡します。
鍵の受け渡しによって、マンションの引き渡しが完了とされ、売買物件引き渡し確認書や鍵受領書に双方が署名をすることが一般的です。
これらの書類は、後日のトラブルを防ぐために不動産会社が用意する場合があります。
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マンション売却の引き渡し日までに用意するもの
マンションの引き渡し当日までには、さまざまなものを用意する必要があります。
引き渡し日までに、以下の準備をしっかりとおこないましょう。
マンションから完全に退去する
引き渡し日には、マンションを買主に引き渡すため、完全に退去する必要があります。
売買契約に特別な取り決めがない場合は、家具や電化製品などの撤去・処分をします。
クローゼットやバルコニーに荷物が残っていないか、しっかり確認し、部屋全体の清掃も忘れずにおこないましょう。
鍵と鍵受領書の準備
引き渡しに必要なすべての鍵を用意しましょう。
スペアキーがある場合も含め、共用施設やメールボックスの鍵も忘れずに準備します。
また、買主にすべての鍵を渡したことを証明する「鍵受領書」も作成しておく必要があります。
必要書類の準備
マンションの引き渡し日に必要な書類は以下の通りです。
所有権移転のための書類
●登記済証(権利証)または登記識別情報
●印鑑証明書
●固定資産税評価証明書
●住所変更がある場合は住民票
●身分証明書(運転免許証など)
買主へ引き渡すための書類
●固定資産税納税通知書の写し
●管理費および修繕積立金の額の確認書
●分譲時のパンフレット
●管理規約、理事会の会計報告書や議事録
●設備取扱説明書・保証書
公的な証明書であれば問題ありませんが、事前に有効期限が切れていないかを確認しましょう。
住民票や印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものが有効です。
それ以外の書類については特に期限がないため、早めに準備を進めるのが良いでしょう。
場合によっては、追加の書類が必要になることもありますので、不動産会社に確認し、引き渡し日までにすべての書類を揃えておかなくてはなりません。
これらの準備には時間がかかることもあるため、引き渡し日から逆算して計画的に進めましょう。
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まとめ
マンションの引き渡し日は売主と買主の協議で決定され、空室なら約2ヶ月、居住中なら約3ヶ月が目安です。
引き渡し日には、残金の決済、登記手続き、税金や管理費の精算、鍵の引き渡しがおこなわれます。
事前準備として、退去、鍵や必要書類の準備が必要ですので、マンション売却の際には計画的に進めましょう。
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