高齢となった親のこれからの生活を考えた場合、さまざまな選択肢があります。
実家じまいは、親が実家に住み続けることが難しくなった場合の選択肢の1つです。
そこで今回は、実家じまいとはどのようなものなのか、実際に実家じまいをする前の準備・実家と荷物の処分方法を解説します。
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実家じまいとは
実家じまいと耳にしたことがあっても、実際にどのようなものが実家じまいなのかご存じない方がいらっしゃるでしょう。
まずは、実家じまいとはどのようなものなのか、そして実家じまいが必要になる理由を見てみましょう。
実家じまいの意味
実家じまいとは、その言葉のとおり実家をしまうことであり、実家を売却または処分することを指します。
単に実家を売却することとわけて考えるのは、そこに住んでいる親が高齢になったことが理由で、やむを得ず手放すためです。
実家の移転ではなく実家じまいと呼ばれるのは、次に実家となる場所がないためであると考えるとわかりやすいでしょう。
親が実家じまいを考える理由
親自身が実家じまいを考える理由として挙げられるのが、今の家での生活が難しくなってきたことです。
たとえば、広すぎる家は移動が肉体的な負担になり、掃除や洗濯がしにくくなります。
とくに2階建て以上の家だと、階段を使うことが苦痛に感じられるでしょう。
また、杖や車椅子を利用している場合だと、バリアフリーではない家での生活が難しくなることがあります。
年齢とともに暮らしにくくなってきた実家を処分し、バリアフリーマンションや高齢者向け施設への入所をすることは珍しくありません。
さらに、子ども世代に管理や税金面で迷惑をかけないため、生前に実家の処分を考える親もいます。
子どもが実家じまいを考える理由
実家から離れて暮らす子どもが実家じまいを考える理由として挙げられるのが、実家に住む方がいなくなったことです。
親が高齢者向け施設や病院に入ったこと、両親とも他界したことが具体的な理由となります。
思い出のある実家を残したいと考えていても、実際には維持管理が大変で、手放さざるを得ない場合もあるでしょう。
誰も住まない空き家は、換気・掃除がいき届かず、誰かが住んでいる家と比較して急速に老朽化が進みます。
空き家となった実家を残しておくと周辺に迷惑がかかるため、早めに実家じまいを決断される方がいらっしゃいます。
また、親の健康に問題はなくても、将来的に生活が困難になることを見越して親と同居することも、実家じまいを選択する理由の1つです。
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実家じまいを進めるための準備方法
実家じまいをスムーズに進めるためには、トラブルが発生しないよう準備を考えることが大切です。
準備①子どもが将来的な実家の姿を考える
親が高齢になり、実家じまいをしたほうが良いかを考え始めたら、将来的な実家の姿を考えることが必要な準備です。
とくに兄弟や姉妹がいない方であれば、早めに実家じまいをするかどうか考えておかなければ、将来的な負担が大きくなります。
具体的には、将来的に自分が実家に戻るのか、誰も住まずに実家が空き家になるのかを考えましょう。
準備②子どもと親が話し合う
自分が実家に戻るかどうかについてある程度考えがまとまったら、親と実家について話し合う場を持ちましょう。
この話し合いでは、親の考えと子どもの考えをそれぞれ聞いたうえで、より良い実家の将来を考えることが大切です。
自分が実家じまいを希望していたとしても、親は誰かに住んでほしいと考えているかもしれません。
また、兄弟や姉妹が実家に戻ることを検討していることも考えられます。
1回の話し合いで実家じまいを決めるのではなく、話し合いを重ねて、親にとって住みやすい環境と子どもの負担について考えることが重要です。
準備③親が暮らしやすい住まいを確保する
親と兄弟・姉妹が実家じまいに同意した場合、親が暮らしやすい住まいを確保することが必要な準備です。
現時点で健康に問題がなければ、病院や高齢者向け施設へ入所する必要はありません。
高齢になった親にとって暮らしやすいのは、買い物ができる場所や病院などが近くにあるマンションです。
広すぎるマンションは、体力的にも経済的にも負担になるので、親の生活に合った広さの賃貸物件への住み替えを考えましょう。
また、子どもとの二世帯住宅は、親にとって安心できる住まいです。
二世帯住宅を選択する場合、完全分離型とするか、ある程度スペースを共有するかを選ぶ必要があります。
さらに、親が元気なうちは、憧れていた田舎暮らしなどをしてもらうことも選択肢の1つです。
ただし、健康面に問題が出てくると、田舎暮らしが難しくなることは注意点です。
準備④親の財産を把握する
実家じまいを考えるタイミングで、親の財産を把握しておくことがおすすめです。
とくに、実家以外に農地や山林を所有している場合は、全体の財産を把握する必要があります。
親の財産を把握しておくと、親に代わってどのような維持管理が必要かを予測できるのはもちろんのこと、万が一の場合に相続をスムーズに進められます。
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実家じまいで家・荷物を処分する方法
実家じまいについて親と子どもが同意したならば、実際に家と荷物を処分することになります。
家と荷物の処分方法にはいくつかの種類があるので、自分のケースに合ったものを選びましょう。
処分方法①親が実家を売却する
実家じまいでメインとなるのが、実家の売却です。
不動産を売却したいと考えたら、まずは地元で信頼と実績のある不動産会社に相談しましょう。
不動産会社に査定をしてもらい、売り出し価格が決まった後は、仲介で買主を探すための媒介契約を不動産会社との間で結びます。
買主が見つかるまでの期間は、不動産の立地や築年数などによって変わりますが、一般的には半年ほど必要です。
また、劣化が進んだ家は買い手が付きにくいため、解体してから売却することを考えましょう。
買主が見つかったら売買契約を結び、取り決めた日程で不動産を引き渡します。
不動産を売却して得た利益に対しては、所得税と住民税がかかるので、売却翌年に確定申告をおこなう必要があります。
処分方法②子どもが実家を売却する
不動産を売却できるのは、その不動産の所有者です。
したがって、親が元気なうちは、不動産の売主が親となります。
しかし、親が亡くなったことが理由で実家じまいをするならば、実家を売却するのは実家を相続した子どもです。
子どもが実家を売却する場合、相続登記をおこない、不動産の名義変更をおこなう必要があります。
この相続登記は、準備を始めてから完了するまで2~3か月ほどかかるので、売却を早く進めるには相続登記を早めにおこなうことが大切です。
処分方法③自分で荷物を片付ける
売却した不動産を引き渡す前には、室内外に残された荷物を片付けなければなりません。
自分で荷物を片付ける場合、余裕のあるスケジュールを立て、兄弟・姉妹が引き取る荷物を確認します。
思い出の品は処分しにくいですが、写真に収めてから、思い切って処分することが片付けを進めるポイントです。
処分方法④業者に依頼して荷物を片付ける
自分で荷物を片付ける時間がない場合であれば、専門業者に依頼するのがおすすめです。
実家じまいで荷物の処分を依頼するのは、遺品整理業者や不用品回収業者となります。
遺品整理業者のなかには、生前整理などの相談に乗ってくれるところがあります。
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まとめ
実家じまいとは、親が高齢になったり他界したりしたことが理由で、実家を売却・処分することを指します。
実家じまいをする前には親と子どもが話し合い、親が暮らしやすい次の住まいを確保することが必要な準備です。
実家は不動産会社のサポートで売却し、荷物は専門業者の手を借りて処分することを考えてみてください。
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