近年、日本では少子高齢化や核家族化が進み、空き家の増加が社会問題となっています。
放置された空き家にはさまざまなリスクが伴うほか、固定資産税が6倍になる可能性もあるため注意が必要です。
今回は、空き家の固定資産税における増税について、6倍になる流れや対策方法などを解説します。
現在空き家を所有している方や取得する予定のある方は、ぜひ参考になさってください。
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6倍になる?空き家における固定資産税の増税とは
まずは、空き家を放置すると固定資産税が6倍になると言われている理由を解説します。
空き家を放置すると税負担が増える?
先述のとおり、日本では空き家の増加が社会問題となっています。
空き家を放置すると、建物の劣化が急速に進み、倒壊する恐れがあり大変危険です。
また、不法投棄や放火などの犯罪に巻き込まれ、近隣住民にも悪影響を及ぼす可能性があります。
政府はこの問題を解消するため、平成27年に「空き家対策の推進に関する特別措置法」を施行しました。
この法律により、所有する空き家が「特定空家」に指定された場合は、固定資産税の増税対象となります。
これが「空き家を放置すると固定資産税が増額する」と言われる理由です。
特定空家に指定されるのは、衛生面や耐久性に不安があり、このまま放置すると周囲に悪影響を及ぼす可能性が高いと判断された家屋です。
空き家を所有している方は、特定空家に指定されないよう、定期的な管理を欠かさずにおこなう必要があります。
法改正による変更点
平成27年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」ですが、令和5年に一部改正がなされています。
法改正により空き家対策がより強化され、固定資産税増税の対象範囲が増えることとなりました。
建物が建っている土地には、住宅用地の特例が適用され、固定資産税の負担が軽減されています。
特定空家に指定されると特例を利用できなくなるため、税負担が増える仕組みでした。
しかし法改正後は、特定空家に限らず「管理不全空家」に指定された場合も特例の対象外となります。
管理不全空家とは、放っておくと特定空家になりそうな物件、つまり「特定空家予備軍」のことです。
これまでは特例を適用できていた空き家でも、今後は固定資産税の増額対象となる可能性があります。
固定資産税が6倍になる条件とは
先述したように、特定空家や管理不全空家に指定されると、固定資産税が6倍になる可能性があります。
そもそも特定空家とは、どのような状態の家屋を指すのでしょうか。
たとえば以下のような状態の空き家は、特定空家に指定される可能性が高いと考えておきましょう。
●今にも倒壊しそうなほど劣化が進んでいる
●不法投棄などが原因で悪臭が漂っている
●植物が建物や敷地全体を覆うくらい繁茂している
●周辺の道路や家屋の敷地等に土砂等が大量に流出している
特定空家に指定されるのは、放置すると周囲に悪影響を及ぼす可能性が高いと判断された家屋です。
管理不全空家は1年以上、誰も住んでいない状態の家で管理が不十分であり、今後もそのままの状態だと特定空家に指定される恐れのある空き家を指します。
管理不全空き家に該当するかどうかは各自治体が判断するため、基準については各自治体に確認することをおすすめします。
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空き家の固定資産税が6倍になる流れ
空き家を放置して特定空家に指定されてからといって、すぐに増税されるわけではありません。
いくつかの段階を踏んだあとに、固定資産税の特例適用対象外となります。
ここからは、特定空家に指定されてから固定資産税が増額したあと、最終的に空き家がどうなるのかを解説します。
①特定空家に指定される
まずは自治体の担当者が空き家の調査に訪れ、劣化状態や周辺環境などをチェックします。
放置するのが危険と判断されると特定空家に指定され、行政から助言や指導を受けることになります。
②助言や指導を受ける
特定空家に指定されると、まず自治体から状況を改善するよう連絡が入ります。
状況の改善とは、たとえば破損している箇所の修繕や解体、庭木の剪定や撤去などです。
この段階できちんと対応すれば、一般的には特定空家や管理不全空家の指定を解除することが可能です。
③勧告を受ける
助言・指導を無視してしまうと、次に勧告を受けることになります。
勧告を受けてもなお対応できずにいると、固定資産税が6倍になるため注意が必要です。
増税を回避したい場合は、助言・指導のタイミングで真摯に対応することが大切です。
④命令に切り替わる
勧告後も改善が見られない場合、命令に切り替わります。
命令は助言・指導、勧告よりも重く、行政処分(罰金など)の対象となるため注意が必要です。
命令に従わない場合、違反行ためとみなされ、50万円以下の過料が課せられます。
⑤行政代執行へ進む
それでもなお空き家の状態を改善しない場合、最終的に行政代執行が実施されます。
行政代執行とは、行政が空き家の所有者に代わって、解体やゴミの撤去などをおこなうことです。
その際にかかった工事費用や不用品の撤去費用は、所有者が支払わなければなりません。
費用が支払えない場合、財産を差し押さえられる可能性もあるため注意が必要です。
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空き家の固定資産税が6倍に増額されることを回避する対策
最後に、固定資産税の増額を回避する方法を解説します。
対策①不適切なところを改善する
自治体から空き家の状況を改善するよう連絡が入ったら、無視せずその指示に従うようにしましょう。
敷地内にゴミが散乱しているのであれば業者に依頼して一つ残らず撤去する、劣化がひどい場合は解体して更地にするなどです。
特定空家や管理不全空家に指定されたとしても、助言・指導の段階で適切に対処すれば、指定を解除することが可能です。
もしリフォームやリノベーションをするのであれば、ご自身で住んだり賃貸物件として貸し出したりもできるでしょう。
リフォームには費用がかかりますが、固定資産税が6倍になることを考えると、放置するよりメリットが大きいと言えます。
対策②そのままの状態で売却する
空き家を将来活用する予定がなければ、売却するのも選択肢の一つです。
現状で売却すれば解体費用がかからないため、コストを抑えられるというメリットがあります。
たとえ空き家であっても、所有している以上は税金を支払い、また適切に管理しなければなりません。
売却すれば納税および管理義務がなくなるため、金銭面や精神面の負担を軽減できます。
なお、相続した空き家を売却した場合は、特例を利用して売却益から最高3,000万円まで控除できる可能性があります。
ただし特例を利用するには、相続が開始した日から3年を経過する年の12月31日までに売却しなければなりません。
相続後の売却を検討している方は、早めに不動産会社に相談し、売却に向けて行動しましょう。
対策③解体して更地にして売却する
空き家の築年数が古い場合は、建物を解体し、更地にしてから売却することをおすすめします。
あまりにも劣化が進んでいると、売却期間中に倒壊する恐れがあるためです。
また、古い建物が建っていることでイメージが悪くなり、購入を見送る方も少なくありません。
更地にすれば見た目の印象も良くなるので、スムーズに売却できる可能性が高まります。
ただし更地にしたからといって、固定資産税の納税義務がなくなるわけではありません。
また、建物がなくなることで特例が利用できなくなり、翌年の固定資産税が増額してしまう点にも注意が必要です。
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まとめ
特定空家に指定されると固定資産税が6倍になる可能性があり、さらに法改正によって増税の対象範囲が広がっています。
特定空家や管理不全空家の指定を回避するには、空き家を放置せずに管理することが大切です。
将来活用する予定がないのであれば、倒壊や犯罪などでトラブルになる前に売却を検討しましょう。
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